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メディア2015年6月26日

空港での「ボディスキャナー」導入と人体安全への課題
ロシアでペースメーカー装着者の死亡事故発生

 東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年を目指し、航空機を狙ったテロ対策のため空港では乗客の全身に電磁波(ミリ波)を当てて不審物を発見する「ボディスキャナー」と呼ばれる検査機器の導入が検討されている。“ボディスキャナー”は欧米各国では普及が進んでいるが、日本では2011年に空港での実証実験等を行ったものの、導入には至っていない。関係者によれば、国内への普及には「電磁波の影響による人体安全」について、国民とのコンセンサスが必要不可欠であり、安全対策をどうするかとの課題がある。
 2014年、ロシアの空港でペースメーカーを装着している女性が金属探知機を通過した直後に死亡する事故があった。電磁波の影響でペースメーカーが誤動作したことが原因と見られている。ペースメーカー装着者は申告すれば、金属探知機の検査をせずに通過させるとの方針が、現場で徹底されていなかったとの情報もあるが、より確実な安全対策が必要である。“ボディスキャナー”の安全な導入にあたっては、人体への安全対策への検討と航空業界と搭乗者の知見の共有が強く求められる。

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